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Blog心理学用語集
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2023.07.01心理学用語集
全般性不安症/全般性不安障害
全般性不安症とは、多数の出来事または活動に対する過剰な不安と心配(憂慮して予期すること)が漠然と続く疾患のことをいいます。
発症年齢は広範囲に渡り男性よりも女性の方が多いとされ、要因としては気質的な要因や環境的(幼少期の逆境等)な要因、そして遺伝的な要因が考えられています。
不安は誰しも感じることのある感情の一つですが、通常はその不安には理由があり、対策を取ることで安心したり、解決したりすることができます。
しかし全般性不安症の場合は、不安感のコントロールが難しく、それが継続的かつ過剰に発生するため、不安や心配の内容も広範囲に渡ります。また、不安や心配に伴って以下のような身体症状が付随する場合が多いと言われています。
①落ち着きのなさ、緊張感や神経の高ぶり
②疲労しやすさ
③集中困難や心が空白になる
④易怒性(怒りっぽさ)⑤筋肉の緊張
⑥睡眠障害 等
<診断基準としては以下のようになっています>
A . (仕事や学業などの)多数の出来事または活動についての過剰な不安と心配(予期憂慮)が、起こる日の方が起こらない日より多い状態が、少なくとも6ヶ月間にわたる。
B . その人はその不安を抑制することが難しいと感じている。
C . その不安および心配は、上記した枠内の6つの症状のうち3つ(またはそれ以上)を伴っている。注:子どもの場合は1項目だけが必要
D . その不安、心配、または身体症状が、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
E . その障害は、物質(薬物や医薬品など)または他の医学的疾患(例:甲状腺機能亢進症)の生理学的作用によるものではない。
F . その障害は他の精神疾患ではうまく説明されない。
これらの全般性不安症の症状は、増悪と寛解を繰り返し、完全寛解する比率は非常に低く、早期に発症すればするほど、併存症を併発しやすいとされています。
日常生活が不安感で支配されてしまい、著しい制限を受けることも多々あるため、上記の症状がみられる場合は、医療機関や専門機関へご相談ください。
出典・参考 ・DSM-V精神疾患の診断・統計マニュアル 医学書院
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