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Blog心理学用語集
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2023.06.26心理学用語集
神経性やせ症/神経性無食症(Anorexia Nervosa)
・神経性やせ症/神経性無食症とは、摂食障害郡の中の一つの病型です。
やせ願望によって食事の制限や過剰な運動を行い、やせているにも関わらず体重が増えることを拒否する障害のことです。
摂食障害が増加している背景にはスリムな体型が賞賛される傾向など、女性を取り巻く社会文化的背景の変化があると言われています。また男性の有病率は男女比およそ1:10であることから、男性の神経性やせ症は女性よりずっと稀なものとされています。
通常、神経性やせ症は青年期あるいは成人期早期に始まると言われていますが、思春期以降または40歳以後に発症する例も確認されています。
・神経性やせ症では診断を行う上で、摂食制限型(主にダイエット、断食、過剰な運動などによる体重減少)と過食・排出型(故意による嘔吐や緩下剤・利尿薬または浣腸の乱用による体重減少)のいずれかに分類されます。
・神経性やせ症には以下の3つの必須の特徴があります。
- 持続性のカロリー制限
- 体重増加または肥満になることへの強い恐怖、および体重増加を阻害する行動の持続
- 体重および体型に関する自己認識の障害
・神経性やせ症はさまざまな要因が複雑に絡み合って発症すると言われています。
例えば、環境要因(モデル業などのスリムな体型が賞賛される職業など)、気質要因(完璧主義な傾向や脅迫傾向を示すなど)、遺伝要因(親族からの遺伝など)が挙げられます。
・神経性やせ症は無月経や低血圧、低体温などの身体機能の低下だけでなく、気分の落ち込みや不安など精神面にも影響が生じます。また自殺の危険性が高く、年間10万人あたり12人と報告されています。
そのため、何か気になる症状がある場合には専門機関へのご相談をご検討ください。
・出典
DSM-V精神疾患の診断・統計マニュアル 医学書院
知っておきたい精神医学の基礎知識 誠信書房
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