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Blogブログ・心理学用語集
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2022.01.28ブログ・心理学用語集
第一反抗期
反抗期ってなんだろう
「反抗期」と聞いてどんな印象を受けますか?
わがままになる
物に当たる
なんでもイヤだという
言葉が悪くなる
保護者の方によって受ける印象は様々だと思いますが、子どもの発達の視点から「反抗期」についてお話ししたいと思います。
そもそも反抗期には「第一反抗期」と「第二反抗期」があります。
今回は、「第一反抗期」について詳しく説明します。
第一反抗期
「第一反抗期」はお子さんによって異なりますが2、3歳の頃といわれています。
自己主張が強く、親の言う事をなんでも拒否したり、悪いことをしても謝らないという行動が目立ちます。
それまで、親と子どもの考えは一体化していましたが、第1反抗期では幼児が自分の考えを持ち、それらを主張しはじめるのです。
このような行動の背景には、子どもの「自我」の発達があります。
「自我」とは、行動や思考の主体、自分自身という意味です。
「自我」が成長し、自分は父親や母親とは違う存在だという意識が強くなるのです。それに対して、親が禁止や干渉をしてしまうと、子どもは抵抗してしまいます。これが親から見ると一方的な自己主張であり、反抗ということになります。
しかし、同時に他者を受容する気持ちも強まり、お手伝いを喜んでするなど、他者受容も発達してきます。
この時期は、成長していく中で必要な「自分で考えて、判断し、行動すること」ができるようになるためのスタートでもあります。
第一反抗期の子への関わり方
これは、第一反抗期の子へというよりも、子どもとの関わり方の話かもしれませんが・・・。
第一反抗期の子どもはなんでも自分で決めたがります。
しかし、それらの要求に全て従ってしまうと、自分で決めないと納得しない、自分の決めたことしかしない子になってしまいます。
そのまま成長してしまったら、社会でうまく立ち回っていくことは難しいでしょう。
そのため、「今日はやりたくないからやらない」「食べたくないから食べない」など、どこまで自己主張に付き合うべきか、どこからが”不要なわがまま”なのかを大人側が見極めることが重要になってきます。
「こうしたいんだ!」と自分の思いを表現することは決して悪いことではありません。
しかし、同時に「こうしたいけど、こうしなければならない」と自分の思い通りにならないものもあることを学んでいくことも大切なことです。
場合によっては、「するかしないかを決めるのは大人」というように、誰がその場のルールを決めるのかを明確に伝えることも必要です。
思い通りにならないと、泣き続けたり、ものを投げたりする子は主導権が自身にあると思っているかもしれません。泣き続けたり、物を投げたり、騒ぐことで、自身の要求が通ってしまえば、泣けば、投げれば要求が通るといった誤った学習がされてしまいます。その場の決定権を誰が持っているのかを誤解させないようにしましょう。
そして「折り合いをつける」学習も大切です。早く遊びたいけど順番を待つ、全部欲しいけどお友達と半分こする、などです。ジャンケンや半分こ、順番は他の子どもと関わる時に必要な能力になります。
このように、第一反抗期になると、自我の成長に伴い、自身でなんでもやりたがるようになり、自己主張も強くなります。しかし、過ごしていく中で、時にはやりたくてもできないことがあると知り、自身を抑制する方法、折り合いのつけ方を学びます。そのような過程により、子どもの社会性は発達していくのです。
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中島義明 安藤清志 子安増生 坂野雄二 繁桝算男 立花政夫 箱田裕司 (1999) 心理学辞典 有斐閣
湯汲英史 (2015) 「0歳〜6歳子どもの社会性の発達と保育の本」 株式会社学研教育みらい
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