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Blogブログ・心理学用語集
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2021.12.10ブログ・心理学用語集
動機づけ(モチベーション)について
動機づけ(モチベーション)について
「動機づけ」とはモチベーションとも言われ、行動の理由を考える時に用いられる大概念です。行動を一定の方向に向けて生起させ、持続させる過程や機能の全般をさします。一般的に、行動は主体が何らかの「要求(欲求)」を持ち、同時に外部からの要求である「誘因」を持つことで生起すると言われます。
みなさんはどういった時に行動を起こすでしょうか。特に社会的な場面において動機付け(モチベーション)の必要性を感じたという人は多いのではないかと思われます。
例えば、志望校への合格を目標に一生懸命受験勉強を頑張る、仕事でいい成績を出したいから夜遅くまで会社に残って仕事をする、自分の精神的満足のために友達に会いに行く、恋人によく思われたくてメイクの仕方を研究するなど、私たちは様々な場面で自身のモチベーションによって行動を起こしています。
そのような社会的な動機づけには種類があります。
【達成動機づけ】
ある優れた目標を立て、それを高い水準で完遂しようとする動機付けです。人は社会において他者との競争に勝ちたい、自分の才能をうまく使いたい、困難な状況に打ち勝ちたい、などの欲求を持っており、それらが達成動機の要因となります。
達成動機の高い人は適度の困難さがある課題を好み、現実的な目標設定を行うとされています。達成動機の高い人は目標を達成した場合は自分の能力と努力によるものだと捉え、失敗した場合は自分の努力不足だと捉えることが特徴です。
反対に達成動機が低い人は失敗したくないという失敗回避傾向が強い人です。このような傾向が強い人は達成することが困難な高い目標設定か、絶対に達成することができる低い目標を設定する傾向があります。また、目標達成に失敗した時には自分の能力不足と捉えることが多いのが特徴です。
そのため、各人の傾向によって目標設定の難易度を調整し、モチベーションをコントロールするなどの方法が取られることもあります。
内発的動機づけ
内発的動機付けとは自分の内面にある心理的欲求によって行動を起こすことを言います。これは自分が楽しいからやっている、自分が成長をしたいからやっているなどの自発的な理由がある状態です。「つまり「好きだからやっている」ということです。この内発的動機づけが高いと幸福感や満足感が得られ、質の高い行動が生まれます。また、「好きだからやっている」という状態は長続きがしやすいことが特徴として挙げられます。一方で、内発的動機づけは本人の興味関心に寄ることが多いため、狙って内発的動機づけを高めることは難しく、また、短期間で高まることは難しいとされています。
外発的動機づけ
外発的動機づけとは、外部からの報酬によって行動が動機づけられている状態を指します。例えば、お給料のために働くことや、ごほうびのために頑張ることは外発的動機づけになります。または、試験に合格するためや、人からの評価をもらうために動くことも外発的動機づけにあたります。外発的動機づけはその物事に強い興味や関心がない人のモチベーションを向上させられることがメリットとして挙げられます。一方でそれは一時的であったり、自主性を持って取り組むことを妨げたりすることに繋がるデメリットもあります。
以上、今回は3つの動機づけをご紹介しました。
それぞれの動機づけは特徴が異なりますが、物事に取り組む際はそれぞれの動機づけの特徴を把握して使い分けることが良いとされています。
引用・参考文献
中島等(2018)心理学辞典 有斐閣
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