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Blog心理学用語集
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2021.11.26心理学用語集
視覚探索
探し出す
本棚から本を探したり、写真の中から友人の姿を探したり、複数のものの中から目的のものを視覚的に見つけ出すことを視覚探索(visual search)と言います。私たちが日常的に探し物をしている時、対象がすぐに目に飛び込んでくることもあれば、なかなか見つけられないこともあるでしょう。
例えば、本棚からある本を探すとき、その本だけが他の本棚の本と色や大きさが異なっていれば私たちは簡単に見つけることができます。しかし、色や大きさがばらばらな本の中から、もしくは似たような本の中から目的の本を探すには時間が掛かります。
前者のような、多くの対象の中からある特定の要素だけが異なる目的物を探すことを特徴探索(feature search)と言い、
後者のような、多くの対象の中から複数の特徴の組み合わせが異なる目的物を探すことを結合探索(conjunction search)と言います。
特徴探索(feature search)
上の図から「横向きのL」はすぐに見つけ出すことができたのではないでしょうか。
特徴探索では、対象を1つ1つ順々に探索しなくとも、目的の物がすぐに目に飛び込んでくるように見えることがあり、そのような現象をポップアウト(pop-out)と呼びます。形や色、向きなどが1つだけその他の対象と異なる場合にポップアウトが可能になります。注意を向ける必要がないため、探索にかかる時間は対象の数に関係なくほぼ一定になります。
結合探索(conjunction search)
「横向きのL」を探してみてください。先程よりも探し出すことが難しく感じるでしょう。
特徴探索とは異なり、形や色、明るさ、向きなどを組み合わせた特徴(上の図では形と向き)を探し出すためには、複数の対象に注意を向ける必要があります。組み合わせた特徴を1つ1つ順番に確認しなければいけません。そのため、探索に要する時間は対象の数に比例して長くなっていきます。
よく知られている視覚探索
このブログの最初にも挙げたように、私たちは日常生活の中でたくさん視覚探索を行っています。スーパーのお菓子売り場で期間限定のチョコレートを見つけることや、駅前の人混みから待ち合わせをしている友人を探し出すこともそうです。小さい頃に「ウォーリーを探せ」や「ミッケ!」で遊んだ人も多いのではないでしょうか。「ウォーリーを探せ」や「ミッケ!」は代表的な視覚探索課題の絵本です。
私たちの探し出すという行為には、こういった認知過程が働いています。
服部雅史 小島治幸 北神慎司 基礎から学ぶ認知心理学 有斐閣
中島義明 安藤清志 子安増生 坂野雄二 繁桝算男 立花政夫 箱田裕司 心理学辞典 有斐閣
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