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2021.10.23ブログ
マスク生活による子どもの発達の影響について
9月頃に、コロナのパンデミック前に生まれた子どもとパンデミック中に生まれた子どもでは、認知機能に差が見られたという研究結果が発表されました。
アメリカのブラウン大学の研究をイギリスのガーディアン紙が報じたものです。
コロナ以前のIQの平均が100だったのに比べて
2020年は86.3±17.9
2021年は78.9±21.6
ただ上記を見ても、とても個人差は大きい研究結果のようで、コロナにより健康や経済状況に大きく影響を受けた貧困層が特に子どもたちへの影響が大きかったのではとのことでした。
しかし、これを見て、驚くとともに、納得もしてしまいました。
療育の中で、話せない子どもや発音が不明瞭な子どもには
音声模倣(言葉を真似する)のトレーニングを行います。
音声の模倣は、当然、トレーナーの口元を子どもに見せて真似をしてもらわなくてはなりません。
でもマスクをしていると、子どもは当然ながらトレーナーの口元を見ることはできません。
そのため、音声模倣のトレーニングをする場合には親御さんに了解をとって、トレーナーもマスクを外してトレーニングを行っています。
でもそれ以外のトレーニングをするときはマスクを着用しています。。。
今までであれば、子どもたちは誰かと関わってお話しするとき他人の口元を見ることができました。
それが今はトレーニングの数分と自宅でしか大人の口元を見る機会がありません。
そうなったら、発音もそうですが、正しい言葉を覚えにくくなるのは当然です。
なので、マスクのない世の中では特に遅れがなかったであろう子が、発達に遅れを生じてしまうことがとても心配です。
また、言葉の獲得の遅れと同時に心配なことは、他人の表情を読む能力への影響です。
人は相手がどう思っているのかを推測するとき、状況であったり、言葉の内容であったり、表情を読み取って、相手が何を考えているのかを推測します。
ただ、小さい子どもであれば状況を理解したり、言葉の内容をしっかり理解するのは難しいでしょう。
そのため、小さな子どもが表情をきちんと読み取れることは誰かとコミュニケーションをとる上でとても大切な能力と言えます。
でもコロナ禍の今、マスクをしていれば見えているのは「目」だけで、口元は見えません。
子どもたちが、目元だけで表情を読み取るのはなかなか難しいと思います。
きっとこの先コロナによる子どもの発達の影響についての研究が進んでいくのかと思いますが、
今子どもを持つ親御さんにやっていただきたいなと思うことを少しまとめてみました。
<言葉について>
◎発音が不明瞭/言葉の発達が遅い子
・子どもとお話をするときは子どもが口元を見えるようにお話をしてあげる
(出来るだけ子どもを向かい合って、視線を同じ高さにする)
・出来るだけ口を大きく使ってしっかりと口の動きを見せる
◎語彙が少ない子(お出かけの機会が減っていることも要因の一つ?)
・図鑑やYouTubeなどを使って新しい単語を学ぶ
・お散歩に行った時などたくさん単語を教えてあげる(せっかくなら自然の中の単語を覚えよう)
<表情について>
・お家では大人が色々な表情を見せてあげる(「この顔はどんな気持ちだと思う?」とゲームにしてみる)
*子どもに「同じ顔をしてみて」と真似っこゲームにしてもいいかも!
・本やテレビなどの物語の中で、他人の気持ちを推測できるように登場人物の気持ちを聞いてみたりする(表情に頼らず状況で他人の気持ちを推測する練習)
子どもたちのためにも、少しでも早くコロナが収束してマスクが必要ない日常が戻りますように!
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