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Blog心理学用語集
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2021.07.19心理学用語集
コンサルテーション(consultation)
コンサルテーション(consultation)
学校の先生や幼稚園や保育所の先生などの専門的な職業の人が、「こころ」や「発達」の問題に直面した時に、「こころ」・「発達」の専門家に相談やアドバイスを受けることです。
世の中には様々な分野のプロがいます。自分の専門は何なのかを自覚しているからこそ、自分の専門以外のことはその専門家に相談することができます。お腹が痛ければ内科に行くし、歯が痛ければ歯医者に行きます。このように問題となっている分野の専門家に相談をすることで、今起きている問題を早く解決につなげることができます。
コンサルテーションには4つの種類があります(Caplan, G. ; 1970)。
①クライエントの事例を相談する
クライエントに対する心理査定と見立ての上で、相談する側の専門家がクライエントの状態を改善できるように臨床心理士がサポートする。
②相談する側の心理的なサポート
相談する側が事例に接する上で様々な困難にぶつかるため、相談する側のサポートを臨床心理士が行う。
③対策中心の管理的コンサルテーション
複数のクライエントのプログラムを効果的に計画・実行することを臨床心理士がサポートする。
④相談する側の組織自体の問題をサポート
クライエントに効果的な支援を行うにあたって、支障となっている相談する側の組織の問題を明確化し、援助組織の機能を改善する。
コンサルテーションを求めるのは多くの場合、学校の教員や保育士の方々です。その際に「どうしたらいいか」という問いが相談する側から多く挙げられますが、その答えを一緒に探す過程をコンサルテーションと言います。
臨床心理士は今起きている問題について見立てをして整理を行いアドバイスをしますが、それは「心理学」においてのルールや対応であり、例えば「教育」の分野で実際に運営可能かどうかは、その専門家である「相談する側」に確認しなければいけません。そのような過程の中で相談する側の中に様々なアイディアが生まれます。
このようにコンサルテーションとは、「相談する側が主体的に考える」ことを基盤としています。そのためのお手伝いをさせていただくのが臨床心理士の仕事になります。
今抱えている問題を一人で解決することばかりに捉われてしまうと、クライエントだけではなく、サポートしている側(ここでは臨床心理士に相談をする人)にも心理的な負荷がかかり過ぎてしまい、適切な対応が難しくなってしまいます。そのため、他の専門家に頼ることもクライエントの支援につながっていくと考えます。
出典・参考
・Caplan, G. (1970). The theory of practice of mental health consultation. New York : Basic Books.
・心理臨床大辞典(改訂版)(2010). 培風館
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