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Blog心理学用語集
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2021.05.14心理学用語集
LD:限局性学習症/限局性学習障害 (Specific Learning Disorder)
LD:限局性学習症/限局性学習障害
(Specific Learning Disorder)
LDとは一般的に学習障害と呼ばれる障害です。
それは知的障害などの知能水準の問題で起こってくる学習の難しさや教育機会の剥奪による学習成績の低さではなく、十分な教育の機会があって、知的能力やその他の視力や聴力も正常なのに、特定の勉強分野において苦手さがみられる障害のことです。
以下の症状が、1つ以上6ヶ月間持続している場合にはLDの可能性があります。
①字を読むのに不的確だったり、速度が遅かったりする
(例:単語を間違って読む、ゆっくりとためらいがちに読む、言葉をあてずっぽうに言うなど)
②読んでいる内容を理解することが難しい
(例:正確に読んでいても意味を理解していないなど)
③つづり字の困難さがある
(例:音読みと訓読みがうまく分けられない、「づ」と「ず」や「は」と「わ」などの使い分けが難しいなど)
④文章を構成することが難しい
(例:文法や句読点の間違いが多い、段落をまとめられない、感想文などの文書構成が苦手など)
⑤数字の概念や数値、計算がなかなかできない
(例:数字の大小がわからない、1桁の足し算を指を使ってしまうなど)
⑥数学的推論が難しい
(例:様々な公式や算数・数学のルールをうまく適用できないなど)
これらの状態が同学年の人たちと比べて明らかに苦手であり、その状態によって学業や仕事に支障が出ている場合にはLDと診断される場合があります。LDの症状は小学校や中学校などでの教育を受ける期間に困難が始まるため、早期の段階で明らかになりますが、重症度によっては大学生や社会人になってからわかる場合もあります。それぞれの国によってLDの割合は異なりますが、全体の5%〜15%の方が何らかの学習に対する困難を抱えていると言われています。AD/HDやASD、うつ病などの精神疾患と同時に発症していることも多く、重症度や環境にもよってその後の経過などは様々ですが、低学力は義務教育後の高校への進学や大学への進学にとても影響します。中退なども多く、社会人になってもその困難は続いていきます。そうすると、もちろん精神的に不健康となり、抑うつ症状やうつ病などの精神疾患のリスクを高めます。
そのため、LDの早期発見や早期療育が重要となります。
一つでも気になる項目があれば、お気軽にご相談ください。
出典・参考
・DSM-Ⅴ 精神疾患の診断・統計マニュアル 医学書院
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