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Blog心理学用語集
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2021.05.07心理学用語集
ASD:自閉スペクトラム症 (Autism Spectrum Disorder)
ASD:自閉スペクトラム症
(Autism Spectrum Disorder)
AD/HDなどの発達障害の一つであり、以前は「自閉症」や「アスペルガー障害」と呼ばれていた障害です。最近では医学的に一つにまとめられ、“自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD:Autism Spectrum Disorder)”と呼ばれています。主な障害としては、「コミュニケーションの障害」です。
例えば、「名前を呼んでも振り向かない」とか「お友達とではなく一人遊ぶことが多い」、「独特のこだわり行動がある」など、発達の早い段階から「周りとは少し違うかな?」「個性的かな?」というようなお子さんの中で、その症状が社会生活に障害となっている場合に診断されるものです。そして「知的能力障害」では説明しきれない発達の特異性がある場合にのみ診断されます。知能の障害や言語の障害を伴う場合と伴わない場合とがあり、同じ障害でもその能力は幅広く異なります。
ダスティン・ホフマンとトム・クルーズの「レイン・マン」という映画が自閉症を描いた作品の中ではとても有名です。登場人物の自閉症のレイモンドはかなり重度という設定ですが、先にも書いたように知能や言語能力には差がありますので、社会に出て普通に仕事をして家族を持ってという方も大勢います。
しかし、自分の得意なところ・苦手なところを理解して社会生活を送っている自閉スペクトラム症の方もいる反面、自閉スペクトラム症の障害の軸である“コミュニケーションの障害”で悩み、うつ病などの精神疾患を患ってしまう方もいらっしゃいます。
そのため、アメリカなどでは自閉スペクトラム症の早期発見・早期療育に力を入れており、発達の早い段階からの療育に力を入れています。アメリカでは早期療育を行うことで、コミュニケーション能力が伸びることが常識となっている中、日本では「思春期になってから」「大人になってから」自閉スペクトラム症とわかることも少なくありません。その段階になると、お友達関係や会社の仲間との関係で悩み二次障害としてうつ病などの精神疾患を発症してしまっていることも多く、不登校になったり休職してしまうこともあります。
それに対してどう対応していくのかで、その後の生活は大きく変わります。万が一、二次障害の症状が出てしまった場合にはカウンセリングやトレーニングを行い、今持っている力をどう使っていくのか、またどの力を伸ばしていくのかを考える必要があります。
また、そもそものコミュニケーションのスキルを伸ばすために療育を早期に始めることがとても大切になります。
実際にお子さんの発達で悩んでいる方、自分のコミュニケーションに悩んでいる方はお気軽にご相談ください。
出典・参考
・DSM-Ⅴ 精神疾患の診断・統計マニュアル 医学書院
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