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Blog心理学用語集
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2020.12.05心理学用語集
適応障害 (Adjastment Disorders)
適応障害 (Adjastment Disorders)
適応障害とは、ある特定のストレス(一つだったり複数だったりする)が原因で抑うつ的になったり、不安が起きたり、いつもと違う行動をとるようになったりする障害のことです。
具体的な診断基準は以下のようになっています。
A.はっきりと確認できる特定のストレスに反応して、そのストレスの原因が始まってから3ヶ月以内に心の不調や行動の問題が出ている
B.これらの症状は臨床的に意味のあるもので、以下のうち1つ以上の証拠がある
(1)ストレス原因に対して通常考えられる反応よりもずっと大きな苦痛を伴う
(2)社会的、職業的に大きな障害となっている
C.そのストレスによる障害は他の精神疾患の基準を満たしていない
D.その症状は正常の死別反応(大切な人と死別した時の悲しみのこと)よりもずっと長いまたは重い
E.そのストレスの原因(または結果)が終結すると、症状がさらに6ヶ月以上持続することはない。
ストレスの原因は反復(毎年同じ時期に起こるイベントに対するストレスなど)したり、持続し続けている(犯罪多発地域での居住など)こと、また、病気や離別といった突然起こるものもあります。ある人によっては重大な苦痛や不安を伴う出来事であったとしても、違う人にとっては大したことではないこともあり、周りと比べて「私だけが変なのではないだろうか」と一人で悩んでしまい、余計に負のループに陥ってしまう方もいます。もちろん震災などで多くの人が同時に同様の不安やストレスを抱えることもありますが、その人の性格や物事の捉え方もストレスに大きく影響しますので、同じストレス原因でも捉える人によってストレスの大きさは異なります。
また、精神科を受診する人の5〜20%が「適応障害」と診断されており、医学的疾患の中でもよくある心理的反応になります。
症状としては、抑うつ症状、不安症状、行動の障害があります。
抑うつ症状は楽しい気持ちや嬉しい気持ちなどをあまり感じなくなり、憂鬱な気分が続くことです。マイナス思考が続いていき、「自分は何故こんなにダメなんだろう」と考えがちになります。
不安症状としては、動悸や呼吸が早くなって息苦しくなってしまったり、汗が止まらない、震えが止まらないといった症状が出てきます。
行動の障害では、何事にもやる気が出なく外出しなくなったり、対人関係に過敏になり、ちょっとしたことでイライラしたり、被害妄想的になったりします。
ストレス原因が続いていて症状が慢性化してくると、周りからはその症状がその人の「性格」として認識されてしまうこともあり、「性格の問題だから治らない」と諦めてしまう方も中にはいます。
そのため、慢性化する前の早期の対応がとても大切になるため、少しでも気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
出典・参考
・DSM-Ⅴ 精神疾患の診断・統計マニュアル 医学書院
・心理臨床大辞典(改訂版)(2010). 培風館
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