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Blog心理学用語集
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2020.11.04心理学用語集
小児期発症流暢症/小児期発症流暢障害(吃音:どもり)
小児期発症流暢症/小児期発症流暢障害(吃音:どもり)
(Childhood-Onset Fluency Dosorder(Stuttering))
小児期発症流暢症とは、一般的には吃音と呼ばれる症状・障害のことです。年齢に対して、会話の流暢性(なめらかさ)が低い障害です。例えば、音声の頻繁な反復が有名です。「わ、わ、わ、わた、わたしは・・・」など、なめらかに話せずに何度も突っかかってしまったり、止まってしまうなどの症状があります。
診断基準では以下のような特徴が挙げられています。
A.以下の1つ以上の特徴が、年齢や言語機能に対して、不相応で長期にわたって続いている
(1)音声と音節の繰り返し
(2)子音と母音の音声の延長
(3)単語が途切れること(例えば一つの単語の途中で止まってしまう)
(4)聴き取れる、または無言状態での停止(発声を伴ったまたは伴わない会話の休止)
(5)遠回しの言い方(問題の言葉を避けて他の単語を使う)
(6)過剰な身体的緊張とともに発せられる言葉
(7)単音節の単語の反復(上記例)
B.その障害は話すことの不安、コミュニケーション、社会参加、学業または職業的遂行能力の制限のどれか一つ(またはそれ以上)を引き起こしている
AとBの内容に加えて、症状の始まりが発達早期であり、他の疾患ではうまく説明できない場合は小児期発症流暢症(吃音)かもしれません。
緊張や不安が低い家庭生活の中でも上記のような症状は起こりますが、特にコミュニケーションを取る際に緊張したり、不安になるような場面(人前で発表したり、苦手な人と話すような場面など)で特に重度になります。そのため、緊張や不安の低い場面(音読するとき、歌を歌うとき、物や動物に話しかけるときなど)では起こらないこともあります。
発症の年齢は6歳頃までと言われていますが、周りが気づかないうちに進行していたり(潜行性)、いきなり症状が出る(突発性)場合もありますので、一概に6歳までとは言えません。
8歳の時点での流暢性の重症度がその後の回復に影響しているという研究結果があり、早期での対応がとても重要になります。
対応としては環境調整に加え、プレイセラピーや行動療法も効果があると言われています。
少しでも気になる方はお気軽にご相談ください。
出典・参考
・DSM-Ⅴ 精神疾患の診断・統計マニュアル 医学書院
・心理臨床大辞典(改訂版)(2010). 培風館
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