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2016.09.16ブログ
発達の階段
人間の子どもは運動能力が未熟な状態で生まれてきます。これは、お母さんのお腹の中で、人間が他の動物に比べて優れている大脳の発達を優先させていることで、身体の発達が遅れるためだと言われています。よって、人間の子どもは生まれてからすぐには自分で動くことができず、親の保護のもと成長をしていきます。ここでいう成長とは、身体の発達はもちろん、物事を感じたり考えたりするなど、人間としてのあらゆる活動ができるように発達していくことを指します。
さて、この発達とはある日突然に起こるものなのでしょうか。ある日、急に物事を正確に捉えられるようになり、理路整然とした考え方ができるようになるのでしょうか。
答えはもちろん、そうではありません。私たちが当たり前のように行っていることでも、それができるようになるまでには基本的な事柄から順序立てて発展的な事柄ができるように発達していくのです。このように、発達とは順序立てて積み上げた階段を上っていくようなものなのです。
しかし、発達障害傾向を持っている子どもや、虐待を受けた子どもなど心理的な負担がある子どもは「発達の積み上げ」がしにくかったり、止まってしまうことがあります。そして、そうした子ども達に対して発達を促す関わりをしていかないと、年齢が上がるにつれて発達がどんどん遅れていったり、変わった発達の仕方をしていく恐れがあります。
例えば、自閉スペクトラム症の障害傾向が強い子どもは言葉の発達が遅れがちであることが知られていますが、それに対して何も対応をしないでいると、通常とは異なる言葉の使い方や考え方をするようになってしまうことが多いと言われています。また、子どもは養育者との「安心できる関係」を拠点にしていろいろなことに挑戦して成長していきます。しかし、虐待を受けた子どもの場合は、養育者と「安心できる関係」を築くことは難しいため、自信がなくなったり他者を過度に敵視するようになってしまうことが多いと言われています。
そのため、そういった発達の階段を一人で上手に積み上げて上っていくことが難しい子どもに対して、その時々で適切な手助けをする必要があります。それが私たちたちカウンセラーが行っている療育支援や心理支援というものなのです。発達の遅れや難しさといった課題を抱えている子どもでも、その遅れや難しさに対して適切な関わりをもって上手に課題を乗り越えることができると、子どもの心と身体はより一段と豊かに発達していくことができます。また、少しでも課題がみられた場合は、できるだけ早く課題を乗り越えることができるようにサポートすることが子どもの今後の人生において大いに有益であると思われます。
水戸心理・療育センターでは、こういった発達の階段を積み上げて上っていくことに困難さがある子ども自身、それからそういった子どものために一生懸命な皆様を応援しております。お子様の発達でお困りの方は、児童発達支援・放課後等デイサービスでの療育支援を、心理的な問題でお困りの方は通常の心理相談がご利用いただけます。
また、児童発達支援・放課後等デイサービスのご利用相談ではお子さんの発達についての相談を随時実施しております。さらに、無料相談会ではお子さんの発達と心理状態についての相談をそれぞれ無料でご利用いただけます。お子様のことで少しでも心配なところがある方は是非お気軽にご相談ください。
富田賢史
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